ツークツワンク(zugzwang)〜今更聞けないチェス用語〜

ツークツワンク(zugzwang)〜今更聞けないチェス用語〜

仕事が忙しく、更新できない日々が続きましたが、久しぶりにチェス用語シリーズです。今回はかなり初歩的ですが、テクニックとして重要なものを解説します。

ツークツワンク(zugzwang)と言う言葉ですが、ドイツ語で「差し迫った状況」「動きの強制」と言った意味があります。

チェスの場合、「相手が何を指しても形勢が悪化する状況にする」「指したくないけど、何か動かさないといけない」と言った意味合いがあります。

さて、具体的な例をいくつか…。まず以前ブログで紹介した、私と小島IMとの試合の最終局面。白にポーンがなければ、図の局面はステールメイトで引き分けですが、h5にポーンがあるため、h6とポーンを進めるしかありません。

以下、1. h6  Ng4  2. h7  Nf2# となり手をパスできないため、白は負けてしまいます。ちなみに、白にポーンがない場合の、キング+ナイト2枚対キングはわざと間違えない限り、引き分け(いわゆるブックドロー)です。私の後悔の残る試合、トップ3には入っていますね(苦笑)。

*上記の説明について、h6とさすのが必然手で、白には選択肢がないから、ツークツワンクとは言わないのではないか、と言う指摘を受けました。確かにそうかなとも思いますので、一応下の例のみ、ツークツワンクの例として、読んで頂けますでしょうか。

さて、もう一つは、エンディングの基本中の基本の形、オポジション(お見合い)という題材とも絡んだ形ですが、図の形、黒のキングは8段目に押し込まれ、お見合いを取られていますので、左右どちらかにしか動けません。この形は白番でも黒番でも白勝ちですが、

黒番でしたら、黒キングがどちらかに動いた時点で、白のキングが7段目に侵入でき、ポーンの前進が止められないですし、白番ならKd6 or Kf6とさして、次にe6で勝ちです。

最初のうちは、本で読んだりすれば、なるほどーと思うことでも、実践するのは難しいものです。でも、試合を重ね、負けたり勝ったりしているうちに、少しずつは理解できますので、まずはこういうテクニックがあると言うことを知っておいてください。

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)