アウトポストとは〜今更聞けないチェス用語〜

アウトポストとは〜今更聞けないチェス用語〜

今日は、初〜中級者の方向けに、「アウトポスト」について説明いたします。

ちなみに私はチェスを30年やっていますが、アウトポストについて説明を聞いたのは数年前のことです。なんとなーくは理解していたのですが、重視はしていませんでした。それでもなんとかレイティング2000位まではいけますので、ご安心ください笑

さてアウトポスト(outpost)は英語の単語ですが、辞書で調べると、植民地、居留地、前哨地、前哨部隊と言う意味らしいです。

チェスにおいては、訳語として一番適切と思われるのは「前哨地」でしょうか。そこに駒を配置すると、取られにくい拠点と思ってください。Wikipediaの英語版では、解説も載っておりまして、「4〜7段目のマスで、ポーンで守られていて、かつ、相手のポーンで攻撃されないマス」と言うことになっています。

たとえば、下図のd5のナイトはポーンで守られており、かつ、今後相手のポーンで攻撃される可能性がありません。この場合、d5をアウトポストと呼びます。

さて、アウトポストについて、よいと思われる点を列挙しますと、

  • この地点にいる駒は取られにくく、常に相手に対してプレッシャーをかけ続けることができる。
  • アウトポストに隣接するマスにいる相手のポーンは大概守りにくい(弱点である)。
  • ナイト以外の駒はアウトポストの駒をまたいで相手陣に入れないので、駒の動きが制約される。

などが考えられます。アウトポストに配置する駒は、ケースバイケースでしょうが、ナイトが一番でしょうね。基本的には価値の低い駒の価値を高くすることで、局面も自分に有利になっていくものだと思います。駒の配置、利きを改善しながら、最終的に駒得するというようなジリジリ押し込むようなプレイの時にアウトポストは有用です。もちろん、アウトポストに駒を配置したところで、主戦場から離れていたり、自分のキングが攻撃にさらされたりしていては、あまり意味がないような時もあります。

このような話は、ポジショナルプレイ(駒の配置を重視した指し方)をする上では非常に重要な話になるのですが、タクティカルプレイ(局所的な戦術、たとえばキングへの直接攻撃や駒得するための手、を重視した指し方)をしていると、重要性がわかりにくいと思います。

ポジショナルプレイについては、また機会があれば触れようと思いますが、なにぶん、自分もつい最近まで、そういう言葉自体知らないような状態でしたので、もう少しお勉強しないと、人には説明できないかもです…(汗)

ちなみに、以前の記事で解説したKarpov対Unzickerの試合では、特に派手な手はないですし、Unzickerも目立った悪手は指していないのですが、白の駒が完全に相手の駒の動きを封じて、黒は何もできずに負けてしまいました。こういうのがポジショナルプレイの典型ではないでしょうか。参考にしてください。

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