アービターやりますか?

久しぶりの更新です。
今日は第2回 科学大ラピッドチェス大会に選手としてではなく、運営(アービター)として参加してきました。
昨年11月にNA(ナショナルアービター)を取得しておりましたが、それを生かす活動はしておりませんでした。

今回はちょうど日曜日のみの大会で、都合もいいところへ誘って頂き、チーフアービターはシンランさんが務めてくださるとのことだったので、安心してお手伝いすることができました。

会場の設営

さて、運営がまずやらなければいけないことは、会場の設営です。今回は当初64名の参加者がいたため、32番ボードまでを作らないといけないのですが、机、盤駒、時計の配置が意外とやっかいで、柱や傾斜のあるところを避けようとすると動線が乱れてしまいますし、机の大きさや数なども考慮しないといけないので、悩ましいところも多々あったのですが、みんなで頭をひねって、妥当な配置になりました。時計の向きなどを決めるときは「これって、アービターセミナーの試験に出たやつじゃん!」とか思って、多少うれしくなってしまいました。

受付、ペアリング、開始の際の説明など

設営が終わった後、試合開始までにミーティングをして、必要事項や疑問点などの確認をしました。今回はラピッドの大会で、棋譜の記入が必要ないため、我々の業務も比較的少なめ、それほど大きなトラブルもないのでは??と予想していたのですが…。
ちなみにペアリング(スイスマネージャー)の操作や開始前の説明は、チーフのシンランさんがやってくださいました(何もできない人が補佐で、本当にすみませんでした…)。

試合中

さて、実際試合が始まりますと巡回しながら、何かトラブルが起きたときに対応するのですが、今回はすごく判断に困る事例が何例かありました。

  • ルークを動かした時にキングに肘が当たって倒れてしまった。慌ててキングを直して、時計を押したが、一マスずれたところにキングをおいてしまった(キングの位置が動いてしまって、かつ時計も押してしまったので、同時に2手指したということでイリーガルムーブと判定)。
  • 黒の方が必勝の局面だったが、プロモーションする際に、白のクイーンを置いてしまった(違う色のクイーンには当然プロモーションできないことから、イリーガルムーブと判定)。
  • 子供さんが、トイレに行きたいが時間がかかりそうなので、時計を止めていいか?との質問(非常に気の毒だが、相手の手番になったら行ってもらうということで、ストップできないと返答)。
  • アービターがイリーガルムーブに関して、時間加算の対応をした後、時計が動いていなかった(対応時の局面まで戻してもらい、そこから再開)。

アービター試験が難しかったと以前の記事で書きましたが、実際には(多分)ルールブックに載っていないようなトラブルも多々あるのだなあと実感しました。正直、試験よりも実際の対応のほうが難しく感じました。

あと、対局時計ですけど、意外とボタンの劣化なのか接触不良なのか、動作に不安があるものが多かったですね。予備を用意するなどの対策が必要そうでした。

また、今回はそれほど必要性がなかったですが、近年は国選手の参加が増えているので、語学力がないと、務まらない場面が出てきそうで、もっと若い頃に語学に取り組んでいれば…と思ったり。

アービターやってみて

今回が初回だったとはいえ、立って1日見回らないといけないですし、ただの観戦と違う気遣いが必要で、非常に緊張してつかれました。全日本選手権のような大会ですと、何日もこれをやるのかと思うと、運営の方々の苦労が身にしみ、今まで以上に感謝する気持ちが強くなりました。まだ自分としては選手としての欲求のほうが強いので、どれくらいアービターの方をやるかわかりませんが、とてもいい経験になりました。

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