2019全日本チェス選手権全国大会 6日目最終日

2019全日本チェス選手権全国大会 6日目最終日

今日(といっても昨日ですが…)で全日本チェス選手権全国大会が終了しました。さて、優勝者は誰だったでしょうか!?結果を見てみましょう。

優勝はCM Tu選手でした!Tu選手は最終局も勝ち、9勝2分の無敗で乗り切り、文句なしの優勝を決めました。準優勝IM Kojima選手は最終局Scott選手と引き分け、8勝3分となり、0.5ポイント及びませんでした。以前にもKojima選手はNanjo選手とのデッドヒートで及ばず準優勝だったことがありましたが、なんとも悔しい限りでしょう。ただ、安定した差し回しでほとんど相手につけいる隙を与えず、すべての試合を終えたところはさすがIMといったところです。3位にAoshima選手、Tu選手には敗れましたが、ここでもさすがでした。

今回は以前からお話ししているように、アービターの方々が常に試合を見回り、時計のことも含めて、ほぼトラブルがなく、参加の皆さんも気持ちよく試合ができたと思います。長丁場のアービターを務めたヒーバートさん、山田さん、荒井さんには本当に感謝したいです。今後、この体制がスタンダードになるといいなと思います。

さて、自分は最終局、大ベテランのSugimoto選手と対戦し、勝って6ポイントでした。今回は上位陣とほとんど当たりませんでしたので、内容的にもあまり満足いく大会ではありませんでしたが、最後勝ちたい試合で勝てたのでよかったです。

Sugimoto, Koichi(1882)
Higashishiba, Teruomi(1989)
2018.05.05 Japan National Championship 2018 11R

1. d4 Nf6  2. c4 e6  3. Nf3 b6  4. e3 Bb7  5. Bd3 d5[Queen’s IndianのClassical Variationです。e3を早くつく手は白にとっておとなしく無難に展開できる反面、黒マスビショップの展開に少し不安がある手です。]  6. cxd5 exd5  7. O-O Bd6  8. Nc3 O-O  9. Nb5 Be7  10. b3 a6  11. Nc3 Bd6  12. Bb2 Qe7  13. Rc1 Nbd7  14. Ne2 Ne4  15. Ng3 f5  16. Qc2 Rf7[ここまではデータベースにも載っている展開です。黒はセンターをがっちり固め、あまり隙の無い陣形です。Rf7は間接的にc7への守りを強化しているのと、場合によってはルークを重ねるなどの狙いがあります。白は堅い陣形ですが、b2のビショップがあまり働いておらず、e5のアウトポストも使えませんので、次の手に困る感じで、黒がやや差しやすいと思います。]17. Nd2 g6  18. Rfe1 Ndf6  19. Ndf1 Nxg3?![Re8などもう少し様子見がよかったかも。単純化はおそらく白の方にメリットがあります。] 20. Nxg3 Ne4  21. Nf1 Re8  22. f3 Nf6  23. Qe2 b5  24. a4 c6[良いかどうかはわかりませんが、黒としての方針は、クイーンサイドでは事を起こさせず、キングサイドアタックすることです。] 25. Bc3 Qd7  26. Qd2 Nh5  27. Bb4 Bb8[エンジンは交換を勧めますが、実戦的には残した方がアヤが残ると判断しました。]  28. Bc5 Rf6  29. Qf2 Rfe6  30. Rcd1 Qf7  31. Bb1 Bc7  32. Bb4 Qf6  33. axb5 axb5  34. Bd3 Ng7  35. Rc1 Bb8  36. Bc5 h5?![強引にキングサイドアタックを始めましたが、h4とされると少し困ります。やるならg5からでした。] 37. Re2 Kf7?!  38. Rce1 Qg5?  39. b4? h4  40. Bc2? Nh5[白は早くf4をついてキングサイドを固めてしまうべきでしたが、e4がホールになりますし、感覚的には指しにくい手です。白の緩手の連続で、黒の攻撃がある程度形になりました。まだイコールですけど…]  41. Kh1?? Ng3+!?[白は大悪手。ただf4??もBxf4!とされますので、41.Ra1 Ng3  42. Ree1 Nxf1 =など。Ng3+はメイティングスレッドがあるので、とれませんし、当然の手と思っていましたが、41. Bg3! f4  42.Bxf2の方がクイーンが残らず、より簡単でした。] 42. Kg1 Nxe2+  43. Rxe2 Kg7[e4をdポーンで取ったときにルークと串刺しされるのを避けた手。] 44. e4?[f4の方がベター。] fxe4  45. fxe4 Rf6  46. Qe1 dxe4  47. Rxe4 Rxe4  48. Qxe4 Qf4!  49. Qe7+ Rf7  50. Qe2[ここでさらに駒得する手がありますが …]50. … Qxf1+!  51. Qxf1 Bxh2+  52. Kxh2 Rxf1  53. Be4 Rc1  54. Kh3 Rh1+  55. Kg4 Kf6  56. Kf4 g5+  57. Ke3 h3  58. gxh3 Rxh3+  59. Kf2 Ke6  60. Kg2 Rb3  61. Bf8 Kd7  62. Bf5+ Kc7  63. Be6 Rd3  64. Bg7 c5+! 0-1さすがにエクスチェンジ+2ポーンダウンでは損が大きすぎるため、白が投了しました。Queen’s Indianでは白に先にd5を突かれて押さえ込まれるような試合が多かったのですが、今回はなかなかよい試合ができました。

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