フィリドールポジションとは〜今更聞けないチェス用語〜
さて、今日は第3弾でフィリドールポジション(Philidor’s position)のお話です。今回は終盤の話になりますが、これは非常に大事なテクニックで、中級者でも、このことをきちんと理解できていない人もいますので、知っておくと非常に有益です。
ちなみにPhilidorは1700年代の有名なチェスプレイヤーでもあり音楽家でもあります。
下図が典型的なフィリドールポジションです。K+R対K+R+Pで、白はワンポーンダウンで不利な状況でありますが、ほぼ強制的にドローにできます。駒損しているときに、それを取り返すのを考えるのは自然な考え方ですが、この場合、取り返しても勝ちは望めませんので、引き分け狙いになります。
試合がドローになる条件は
- 双方にチェックメイトできるだけの戦力が残っていない場合
- 3回全く同一の局面が出現したとき
- 双方のポーンが全く動かない(もしくはポーン自体が存在しない)状況で、50手が経過した場合
- ドローのオファーをして、相手が同意したとき
でしたが、連続チェック(パペチュアルチェック)が成功する場合も、結果的に引き分けにできます。
さて、局面に戻りますと、白のルークは8段目からチェックをかけ続けます。黒キングが白のルークに接近するか、黒ルークの手前に入らない限り、チェックが続きますが、黒キングがポーンから離れすぎると、白はルークとキングが協力して、ポーンを取ることができます。チェックされる限りポーンも進めず、3回同一か50手のどちらかが成立するので、引き分けです。
こういう局面にするためには、キングは相手ポーンより手前で、プロモーションを阻止できる位置、ルークはなるべく奥の列にいる必要があります。フィリドールポジションに限らず、中盤〜終盤にかけては、ルークをなるべく相手陣に入れて使うことが、攻撃防御両方の面で重要となってきます。ちょっと覚えておくといいと思います。
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