羽生さんの試合 グランドマスターに勝利

羽生さんの試合 グランドマスターに勝利

将棋をやっていて、チェスをやってみたいという方はたくさんいると思います。事実、将棋の経験のない人とある人では上達のスピードが格段に違います。一番わかりやすい実例としては羽生さんということになりますが、他にも森内さんや青島さんなど、トップ棋士でチェスも世界レベルに強いという方はいらっしゃいます。
今日は、その羽生さんが、2007年に国際大会でレイティング2600以上のGMを撃破した試合を見てみようと思います。ちなみに、この試合は持ち時間が25分で1手ごとに10秒加算の快速戦です。

GM Predrag Nikolic(2626)
Yoshiharu Habu(2404)
Bruxelles Rapid 9R    2007.06.05

1.d4 d5 2.c4 e6 3.Nf3 Nf6 4.Bg5 c6 5.e3 h6 6.Bxf6 Qxf6[クイーンズギャンビットの一変化になりました。白はビショップナイトの交換ですが、テンポと展開の良さを生かして、センターを押さえていく感じですかね。ただ、このラインはあまり白の勝率はよくないようです]

7.Nbd2 Nd7 8.Bd3 g6 9.e4 Bg7 10.e5 Qe7 11.O-O O-O 12.c5 f5 13.exf6 Qxf6 14.Re1 b6[白のポーンを崩していきますが、まだc8のビショップが展開できていない分白がいいと思います]

15.cxb6 axb6 16.Qc2 c5 17.Bxg6 Bb7 18.Bh5 Rac8 19.Bg4 cxd4 20.Qd1?![20.Qb3 Rfe8 21.Rac1 Bc6=] Rce8 21.Nb3?! Nc5 22.Nbxd4 e5=+[ここ数手、少し白が緩手を指しているうちに、センターを抑えた黒が指しやすくなりました]

23.Nf5 e4 24.N3d4 Nd3 25.Re3?[25.Rf1 Bc8 26.Qb3 Rd8=+] Nxf2! 26.Qe2 Qxd4?!=[驚愕のクイーンサクリファイスですがコンピューターの評価では26. … Bc8!? 27.Qxf2 Qxd4 28.Nxd4 Rxf2 29.Kxf2 Bxd4 30.Bxc8 Rxc8-+ のほうが良いようです。ルークを取り返した後、センターの連結パスポーンが強力です]

27.Nxd4 Bxd4 28.Bh5 Re5 29.Re1?! Kh8 30.h3 Ref5 31.Bg4 Rf4 32.Bh5 R4f5 33.Bg4 Rf4 34.Bd7[ちなみにここでBh5と指せば三復同形で引き分けでした]

34. … Nd3 35.Qh5 Rf1+ 36.Rxf1 Bxe3+ 37.Kh2 Rxf1 38.Qe8+?? Kg7-+[37手目までは互角でしたが、Qe8+??で一気に形勢が傾きました。38.Qg6 d4 39.Bf5 Bg1+ =]

39.Be6 Bf4+ 40.g3 Rf2+ 41.Kg1 Be3 42.Kh1 Ne1 43.Qe7+? Kg6 44.Bg4 Rf1+ 45.Kh2 Bg1+ 46.Kh1 Bc5+ 0-1

持ち時間が25分の試合でクイーンを切る手を指すなど、なかなか思いつかないものです。羽生さんは、本業の将棋やメディア活動などでお忙しいでしょうが、チェス界でも世界をざわつかせる様な活躍を期待したいです。

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