初手はe4かd4か
チェスを教わって、ある程度理解が進むと、自分に合った初手はなにか、を考えると思います。これについてもいろいろな意見の人がいて、幅広く指すべきだという人もいれば、決めたらしばらく同じ戦法で行くべきだという人もいます。ただ、初心者の人はあれこれ覚えようとしても無理ですし、あまり変わった初手を指すのは、上達を妨げることにもなるので、オーソドックスな手を指すべきだと思いますが、決まって勧められるのは、e4かd4とポーンを進める手でしょう。
chessbase.comの2014年の記事で、ギリシャのIoannis Halkiasさんが、両者を比較して考察した記事があったので、ちょっとかいつまんで解説します。ちなみに原文はこちらです。英語が得意な方はささーと読んじゃってください。
センターの管理
彼はd4のほうがベターである、と述べています。d4の場合はe5を抑えているのと、d4もクイーンの利きがあるためセンターの4マス(d4,e4,d5,e5)のうち2マスをコントロールできているが、e4の場合は、d5しかコントロールできていないから、ということらしいです。うーん、どうなんでしょうか。
中央の安定性
この点でもd4のほうが優れている、とのこと。d4のポーンは守られているから、いきなりアタックを受けて取られる心配がないから、というのが理由だそうです。まあ、d4に対して、3手目で黒からe5とつくような戦法(ブダペスト・ディフェンス)もあるんですけどね…。
中央とポーンの活動性
彼の主張は、e4にポーンを進めた時にクイーンとビショップの通り道が開くからe4のほうが展開において優れていると考えるのは間違いで、ナイトがf3に出たりするから、実質的にクイーンの働きが少ない。d4の場合は最初からポーンを支えて働いていると言いたいようです。また、d4を指す場合、次にc4と指すことが多い、そうなるとセンターで支配できるマス目の数が多いが、e4を指した場合、f4と組み合わせる手(キングズギャンビット)は、すでに研究しつくされて、第一線では指されなくなっている手であるから、d4のほうが優れている、とのことです。
世界選手権での比較(2000年以降)
89ゲーム中1.e4は25ゲームで指され、1勝3敗21引き分け ポイント率は46%
一方、1.d4は62ゲームで指され、 18勝6敗38引き分け ポイント率は60%
以上の点から、d4のほうが、優れているが、私(著者)はe4が好きだ、と締めくくっています。
どうなんでしょうかね、本当??と思って、この人のFIDEのレイティングを調べてみましたが、1568という数字でした…。ちょっと奥の浅い記事だなあ、と思って読んでいたのですが、ここまで書いてしまったので、記事にしようと思います。まあ、Karpovも確かe4が好きだが、d4のほうが勝率がいいと言ってた気がします。ちなみに私はe4派です。もう少し、私が上達したら改めて取り扱ってみたい題材です。
では、おやすみなさい。
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